本棚
□ソファー
1ページ/1ページ
「……おーい。」
「………………」
「おーい。おーい。」
………約二十回強。
揺すっても転がしても叫んでも突っついても蹴っても殴ってもなーんにも反応しない。
…この二人、もしかして死んだりしないよね?
赤い人と緑の人は、私には少し大きいソファーに突っ伏して寝ている。
突っ伏してるから、寝てるかどうかも定かではない気もするが……
「……もうあきた。」
私はもう一度、二人の服の裾をちょいちょいと引っ張った。
「……え?」
なんとびっくり。
二人は振り返って私の頭を撫でていた。
「…レッド、お前いつから起きてた?」
「……蹴られたあたり。」
「…起きてたんなら相手してよー。」
「……だから、相手してんじゃん。」
「………撫でてる。」
……それは相手してるとは言わないと思う。
「一人はヒマなんだけど。」
「だから今相手してるでしょ」
「…」
「解った解った。…どっか行くか、三人で。」
「うん!!」
私は笑って、起き上がった二人の手を取った。