本棚
□番犬×2
1ページ/2ページ
「…あ、レッドさん!」
「………##NAME1##?どうかしたの?」
「どうかしてるのは
確実にレッドさんでしょ?」
私がそう言うと、レッドさんは
目を丸くしながら。
可愛く首を傾げた。
「……なんで?」
「だって、下山してるの
珍しいじゃないですか?」
「あぁ、なるほど。」
理解したのか、うんうんと
首を上下に動かす。
…ぷっ、小動物みたい。
「##NAME1##?」
「あぁ、ごめんなさい!
いや、レッドさんがガーディに見えました…。」
「…………なんで?」
「だって、仕草が似てたから!」
「……ふうん。」
レッドさんは、興味なさそうに
頭の上に乗っている、
ピカチュウと遊びだした。
「それはそうと、本当にどうしたんですか?」
「……ゴールドに、呼び出された。」
「……ゴールド君、に?」
私の返しに、レッドさんは頷いた。
「………なんで?」
「……さぁ。」
……謎は深まるばかり…。
ある程度沈黙が続くと、
大きな声と共に
ゴールド君がやって来た。
「レッドさん!来てくれたんッスね!
って、あれ?##NAME1##さんも?」
まさか俺の応援ッスか!?
と、言いながら。
私の手をぶんぶんと振り回す。
「いや、私は今たまたま
レッドさんと会っただけで…」
「今からレッドさんに、
勝負を挑む所ッス!
##NAME1##さん、見ててくだ…あ?」
「…レッド…さん?」
「…………」
そこには、私の手を取って。
ちょっと不機嫌なレッドさんがいた。
「ど、どうしたんッスか?」
「レッドさん、空気が黒い…」
「……行くよ。」
「えぇっ!?わっ、ちょっ…
ゴールド君!またね!」
「…はあ…」
私はレッドさんに手を持たれ、
結局そのまま、シロガネ山に
連れてこられちゃいました。
「……座って。」
「……………。」
………不機嫌。
レッドさん、超不機嫌だ…。
恐る恐るレッドさんを見上げると、
悲しそうな赤い目と目が合った。
「…どうすれば、伝わるの。」
「……はい?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
でもこれはレッドさんが悪い!
だっていきなり抱きついてくるんだもん!
「…と、どうしたんですか?
ゴールド君とのバトル、
私、邪魔しちゃいましたか?」
「……………はあ。」
んなっ!次はため息!?
「もーっ!なんだって言うんですか!」
「##NAME1##の事、好き。」
「………はい?」
「俺、##NAME1##が好きなの。
大事だし、独占したいと思ってる。
グリーンとなんて話して欲しくないし
ゴールドやシルバーとも、
なるべく近付けないようにしてたのに…」
しゅんとしたレッドさんをみて、
私は思わず吹き出した。
「あはっ、あははははっ!」
「……##NAME1##?」
突然笑い出した私に、
レッドさんは心配そうに
覗き込んで来た。
「頭でも打った?」
「大丈夫です!」
今度は笑顔の私に、
レッドさんはまた疑問符を浮かべる。
「私もレッドさんが、
だーーいすきなんで!
浮気なんてするはず無いし、
安心して私を側に置いて下さいね?」
私は嬉しくなって、
レッドさんに抱き付いた。
(あなたは私の番犬で)
(私はあなたの番犬ね)
20110921
次⇨
20110920