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□恋煩い
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「…グリーン。」


「お、来たか。」


「…うん。」


「まあ座れよ、茶くらい出すぜ」


俺はそう言うと、レッドの前に茶を出した。
それを自分の席の前にも置いて
ソファに腰をおろした。


「…で、なんなんだ?
話って…しかもいきなり。」


「………俺、病気かも…。」


「…は?」


…いまさらか?と言うか、
どれに対しての病気かもなんだ?


こいつの天然っぷりには、
今更ながら驚く事も多いけど。
…いやいや、待てよ?
症状がはっきりしてねぇ。


「…例えば、どんな症状が出てるんだ?」


昔から怪我はしても、
風邪とかにはなんなかったから。
…ちょっと、心配だな…。


「ここが痛くなる。」


「…待て待て待てェエエ!!」


レッドが指差したのは、
ちょうど胸の辺り。


これで予想されるのは、


1、ただの心臓に近い場所が痛いだけ。
2、ピカがじゃれて電撃を放ったせい。
3、…一番考えたくは無いが…
恋煩い…。


「…それは、どんな時に痛くなる?」


………なんか、問診してる医者みたいだな。


「………##NAME1##といるとき。」


「……そうか。」


ほぼ決定じゃねぇか!


「…病気って、ポケモンセンターにいけば治る?」


「ポケモンセンターは、
ポケモン専用の病院だ!
ってか、それは病気じゃねぇよ。
…いや、一種の病気か?」


「どっち」


「病気。」


「……俺、死ぬの?」


「人間は恋煩いでは死ねません。」


あ、やべ。オカン入った。
レッドも曇った目で俺を見ていた。
…なんだってんだよ…。
あ、パールのうつった。


「…恋煩いってなに?」


「ちくしょー、やっぱりそう来たか!」


俺は頭を抱えた。
この天然野郎にどうやって伝える?
いや、その前に俺が口出していい事なのか?


いや待て待て待て!
まだ問題が残ってる!


##NAME1##本人も、無自覚天然だ。


(…レッド、それはあいつに直接聞け。)
(なんで?)
(俺が聞いたら意味ねぇから)
(…解った。)


20110921
 

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