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□あいつと
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「……」
「レッド!も一回勝負!
ポケモン勝負して!」
「……しつこい。」
「しつこいとは何事か!
レッド、あんた最強のトレーナーでしょ!!
なら、全世界のトレーナーから
勝負を挑まれるのは、
光栄な事じゃないの!」
「…………。」
それにしてもしつこい。
なにこの子、しつこすぎる。
一ヶ月前にふらっと入って来て、
勝負を挑まれてから。
ちょくちょくポケモン勝負をしてたけど。
…にしても、弱い。
「…ああーっ!ニドクイン!」
「終わりだね。」
「………また、来ます。」
この子…もとい##NAME1##は、
また涙を堪えて帰ろうとしていた。
…のを、俺は止めた。
「なんで、何回も来るの?」
「迷惑、かな?」
……間違った。
「……そうじゃなくて、
なにか目標でもあるの?」
「……うん。」
そう言って、俺をじっと見据えた。
「……なに?」
「…レッドが、初めてなの。」
「…なにが?」
「レッドが、初めて…
二回目の再戦を受け入れてくれた。」
「………普通じゃないの?」
俺の言葉に、##NAME1##は
ぶんぶんと首を左右にふった。
「よく、街でポケモン勝負を
挑まれるんだけど、中々勝てなくて…」
まあ、あの弱さじゃ…
「でも、私勝ちたいの。
だから、最強トレーナーである
レッドを探してここまで来たのよ。」
「…ふうん。」
「ま、でも迷惑なら仕方ない!
私は地道に、各地のジムリーダー倒して
みんなとレベルアップしていく事にするよ!」
そう言って、##NAME1##は微笑んだ。
…強くなりたいね…。
「ちょっと待ってて」
「はい?」
俺は、取り敢えずグリーンに電話をかけた。
(グリーン?)
(ちょっと協力して欲しいんだけど。)
20110922