ぶっく
□ウソ
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「あの………会長…?…」
「む。なんだキリ?」
「……いえ何でもありません…」
"それ"を見たのはほんの1,2時間前――……
俺は校内を適当に歩きまわってるとき
会長のお姿を見つけた
「かいちょ」
「かっ会長っ!!!」
「かっかっかっ、今はお前が会長だろ」
俺の言葉を書き消すように
前期会長…安形がいた
二人が何を話しているのかはそれから分からなかった
ただ会長がとても優しい顔をしているのは分かった
それから気づいたら生徒会室にいた
「はぁっはぁはぁ……」
自分の呼吸が乱れてるのがわかる
こんなちょっと走っただけなのにっ…
走っただけなのに
走っただけ……
情けない。こんなことで俺は……
「かいちょ…う……」
ポタリと俺の一部だったものが流れる
俺はこんなにも弱い人間だったのか
それからどれくらいたっただろう
コンコンコンとリズムよくこちらに向かう音が聞こえた―……
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