ぶっく

□会長は副会長
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会長は副会長




カリカリとペンを走らせる生徒会メンバー
今は文化祭前で皆忙しく、それを導く生徒会はさらに忙しい



「椿ちゃん、1のBのクラスがテーブルあと3つほしいみたいなんだけど」


「そうですね………では家庭科室の机が余ってると思うので家庭部の人たちに聞いておきます」



椿ちゃん、椿くん、となりやまない声
椿も椿で大量の報告書を書いており休む間もない
そんな中1人涼やかに頬杖をしている人――安形惣次郎がいる




「はぁ…なんか落ち着けねぇな」



ゆっくり昼寝もできねぇ、と駄々をこねる置物会長を見てみぬふりをする4人
安形が仕事をしないことなどとうにしっている4人は何事もなかったのようにペンを走らせる
そのあまりのシカトっぷりにしわを寄せる安形
4人とも話し相手にまでもならなくていいが4人もいるんだから1人ぐらい相づちぐらいうてよ
そう言おうと思ったがどうせまたシカトだろうと思い止めた




「なぁ、椿。なんか寝れねぇんだけど」



「それをボクに言われても……」


名前指定ならシカトされる可能性は低い
さらに相手が椿ならなおさら
安形の思惑通り椿がはぁとため息をついて書類を書きながら話す
話し相手を見つけた安形はニヤリと口元を上げた


「てゆーかよ〜暇だし」


サラっと悪びれのない安形の一言だったが
暇という言葉に椿と椿以外の3人もピクっと反応した



「安形!、オレら今スゲー忙しいんだからな
特に椿ちゃんなんかお前の仕事までやってるんだぞ!」



榛葉に続き「会長も何かお仕事をすればよろしいんではありませんか」「DOS」
と次々に罵声を浴びせる
さらりと言った一言が何倍にも却ってきてムッと口を尖らせた


「はぁ?オレはお前らより忙しいんだぞ?
せっかく気分でもはらしてやろうと話し掛けてやったのによ――」



「お前さっき暇っていったじゃないか」



お互い一歩も譲らない話し合いで、どうしたら話し合いはおさまるのだろう
椿は考えたあげくとりあえず二人の中に入って話し合いをさいた




「まぁまぁお二人とも、ボクは会長の分のお仕事ぐらいできるんで大丈夫ですよ」




椿ちゃんは安形に甘いよ!と安形を指さす榛葉に、ははっと微笑する椿
一方の安形はまだなにか不服のようで口を尖らす



「…おい椿、なんかオレが仕事できねぇヤツみたいな言い方しやがって」


「えぇ!そんなことありませんって
会長はできないのではなく、ただやらないだけの方で……ってアレ?」


椿の視線の先にはジーっと椿を睨む、明らかにさっきとは違う雰囲気の安形がいた


「……あの、かいちょ」



「もう怒ったぞ!椿、文化祭までお前が会長でオレが副会長だ」




「ちょ!安形、お前自分がなにいってんのかわかってんのか?」



「そうですよ、そもそもボクなんかが会長だなんて無理ですよ」



「いーや、これは会長命令だ!
やるったら、やる!
おい椿、席代われ」



えぇ!と驚く椿を無理矢理どかして仕事に取りかかろうとした
もう4人はため息しか出なかった




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