星空はこんなにも美しい
□第壱話
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この世界は汚い。
いつからこんなに汚くなったのだろう。
空は灰色の雲で覆われて太陽なんてあるのかもわからない。
風もぬるく肌に纏わりつくように吹いていて気持ちが悪い。
草木は枯れかかっている。
そしてこの世界に住むニンゲンも汚い。
仲間が殺されたって悲しんだりなんてしない。
もしかしたら、既に感情がないのかもしれない。
殺られる前に殺る。もう、そんなのが当たり前のようになっている。
戦争なんて毎日のように起きている。
何でこんなことになってしまったのだろう。
誰のせいでこんな世の中になってしまったのだろう。
オレ達は一体誰と戦っているのだろう?
すべてはあの日から始まった−−−−−…
オレが生まれる前、太陽が眩しく輝いて空が真っ青な日、とある町が真っ赤に染まったという。
一瞬の出来事だったらしい。
とある町の“大量虐殺”
何者がやったのか誰もわからなかった。
しかし、そのことがきっかけに次々と町が潰されていった。
もちろん一人残らず全滅だ。
人々は怖がった。何者かもわからない者、もしかしたらニンゲンではないかもしれないものにいつ自分達が殺されるか、と…。
そんなある日、また町が大量虐殺にあった。
でも、その時は少し様子が違かった。
大量虐殺にあったその町は村のように小さい場所だったのだが、その町に住んでいるはずのないニンゲンが何人か死んでいたのだ。
その町は感染したら即死してしまうような強力な細菌を研究していた。
見知らぬニンゲンは外傷が一つもなかった為、きっとその細菌にでも感染したのだろう。
そのことを知った、人々達は殺せないような相手じゃない。
自分達と同じニンゲンだ!!そう言って戦うことを決意した。