出題&恋愛編
□ Episode.32
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森の中をレイスを先頭にオレ達は走り続ける。
オレと亜希は2人で並んで走っている。
亜「…月希ちゃん。」
突然小声で亜希が話しかけてきた。
どうやらレイスには聞いて欲しくない内容のようだ。
アレかな?亜希もやっぱレイスが魔王に見えるって言いたいのかな?←
『やっぱ、亜希もそう思ったよな。
出身は絶対、魔界だろうな。』
亜「…?え?何が??……それよりもさ、」
アレ?違うの?なーんだ。←
『それよりも?』
少しがっかりしたが、
とりあえず、
もったいぶる様にして口をつむんだ亜希を促してみる
亜「…あのね?私さ、」
今度はその先を言いにくそうに俯き、
再び亜希は口をつむぐ。
『じれったいなぁ!!何だよ、言ってみろよ〜!!』
最初はあんまり興味がなかったが、
ここまでもったいぶられるとさすがに興味が沸いてきた。
走りながらだが、オレは亜希のわき腹を肘で小突く。
くすぐったかったのか、亜希はきゃっと小さな悲鳴をあげた。
そしてオレをちらりと見てから口を開いた。
亜希「誰にも言わないでね?私……好きな人が出来た。」
『へー、そうなんだ………ってえぇ゛!!?』
亜「月希ちゃん!!静かにして!!
本当に誰にも言わないでね!!?」
おぉう。ついつい叫んじまったぜ…。
レイスがちらりとオレの方を見たが、
すぐに視線を逸らされた。
特に気にはしてないようだった。
セーフ。セーフ……←
『誰にも言わねーけどさ、亜希って確か好きな人いたよな??』
小声で亜希に聞いてみる。
オレの記憶が正しければ亜希の好きな人は1年前に行方不明になったとかなんとか……
亜「…うん。でもね、その私の好きだった人にすごく似てる人なの。
だから…」
『そうなんだー…。まぁ、女心は変わりやすいって言うしなぁ。(オレも女だけど。)
いいと思う!!そんな何処にいるのかわかんねぇ奴よりかは断然いいと思う!!』
しっかし、行方不明になった奴は残念だなぁ。
こんな可愛い子が好きだったのに。
亜「うん!!そうだよね!!ありがとう!!
ちょっと、自分でもこれは一途じゃなくなるしどうかな、って思ってたんだ!
やっぱ月希ちゃんに言ってよかった!」
満面の笑みを向けながら亜希は本当に嬉しそうに言った。
『うん。オレでよければどんな話も聞くよ。』
あまり協力は出来なさそうだが。
つーか、ぶっちゃけオレが役に立つとは思えない。←
亜「ありがとう!!私の好きな人、月希ちゃんと仲良いし、これから色んな相談するかも!!」
え…オレと仲良い奴?
そして亜希が知ってる奴といえば、かなり人数が限られてくるんだけど………
『え?…もしよければ誰が好きなのか教えてくれない?』
亜「月希ちゃんにならいいよ!!
でも、教える前に二つ約束してくれる?」
『二つ?どんな約束?』
亜「一つは、絶対誰にも言わないこと!
そして二つ目は、私に協力すること!」
協力?それってつまり、オレがその亜希の好きな男と亜希の仲を取り持てってことか?
『…いいよ!オレに出来ることなら何でも手伝う!』
亜「本当に?………じゃあ、言うよ?
絶対、私の約束守ってね?言った後でやっぱ嫌、とかはダメだよ?」
そう言われると少し戸惑うが、
オレには今は知り合いに好きな奴はいないし、大丈夫!
『うん。わかった!約束は守る。』
亜「ありがとう。私の好きな人はね?
レイス。」
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