星空はこんなにも美しい
□第伍話
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そして2日目。
クーガの様子を見ると、昨日は寝るまで洞窟の隅で体育座りで顔を俯かせていたクーガが今日はケロリとした顔でいた。
『…立ち直れたのかよ?』
ク「ううん。立ち直ったっていうより開き直った。」
『一番ダメなパターンじゃねーか、それ!!ちゃんと反省しろよ!!』
ク「オレは過去のことは気にしない主義だから。」
『…オマエ程都合よく生きてる奴はいねぇよ…。』
クーガって一体どんな神経してんだろ…?普通の人なら一ヶ月は立ち直れねェよ。
あっ。普通の人ならまず、危険な目薬自体渡さねーよな。
そして気になるレイスは先程、レイキルと朝ご飯の魚を湖に取りに行った。…これから後6日間は魚食わなきゃいけねーのかなぁ。
あー、することねーな。
『なぁ…、クーガ、何かおもしろい遊びとかない?』
ク「おもしろい遊び…?…ジャンケン?」
『ジャンケンなんか面白くもねーよ!!』
ク「冗談だって。トランプとかは?」
『トランプ?持ってんの?』
ク「うん。」
『おー!!気が利くじゃん!!やろうやろう!!』
そしてクーガは荷物からケースに入ったトランプを取り出してオレへと渡してきた。
オレは渡されたトランプをケースから取り出し、手早くシャッフルした。
『何する?』
ク「何でもいいけどさ、そのトランプも実は目薬をくれたお兄さん?から一緒に貰ったんだよね。」
オレはその台詞の意味がまったく理解できなかった。…が、理解した瞬間トランプを投げ捨てた。
『オイイイイィィイ!!!何でだよ!!何でそんな危険物をオレにまで渡した!?何か恨みでもあんのかよ!?』
ク「いやー、トランプは大丈夫かなーと、思って。」
『大丈夫じゃねーよ!!うわッ!!何か少し手がしびれてきた!!』
ク「はい、解毒剤。」
『あっ…どうも。…って何でんなもん持ってんだよ!!』
ク「一応、色んな薬持って来てんだよね。」
『…あのさ、この解毒剤は大丈夫なんだよな…?』
ク「うん。さすがにオレもそこまでは鬼じゃないよ。」
『いや!!もう十分鬼だって!!』
そうこうしてるうちにレイスとレイキルが帰ってきた。
そしてみんなで魚を火を熾して焼いて食べた。