Confusion will be my epitaph

□序章
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目を開けるとそこは真っ暗だった。

比喩表現とかそういうのじゃなくて
本当に真っ暗だった。

こんなところに来た覚えはない。

私は真っ暗な、
そして少し肌寒い場所の壁にもたれて座っていた。


地面は手探りからしてコンクリートで出来ていて、ひんやりしていた。


ふと気付くと、隣には親友の恋花が私の肩に寄り添って寝息をたてて寝ていた。


何故こんなところにいるんだろう?

自分の記憶をさかのぼってみることにした。














―――――――――…

キーンコーンカーンコーン…

終わりを知らせるチャイムが校舎に鳴り響く。

私は部活を終え、いつものように家へ帰宅する。

校舎の外はかなり明るい。

朝の国の一日はずっとこの明るさだ。


一人で帰り道をトボトボ歩いていると
後ろの方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。



恋「おーーい!!シュリーーー!!
一緒に帰ろーーー?」


走って私に追いついたこの少女は東堂恋花という。


『うん。いいよ!』

私はそう返事をし、恋花と一緒に帰り始めた。


恋「あのさ〜唐突だけど、翔太のことってどう思う?」


『翔太?』

翔太とは同じ剣道部の部員であり、
爽やか少年で学校の女子からは人気が高いらしい。


『う〜ん…翔太とはあんま話したことないしな…。
でも、いい奴なんじゃん?』


そう。翔太は男女かまわず誰とでも仲良くするのに、唯一私にはまったく話しかけない。

何でかなー?
って思って私から話しかけても何か反応微妙だし。


恋「あ〜…翔太は意外と恥ずかしがりやなとこあるしねー、
それはしょうがないよ。
で…シュリって翔太のこと好き?」

『え?そりゃーね、もちろん。
同じ剣道部として好きだよ?』


私にだけ冷たくてもやっぱり同じ部員なことは変わんないし。
その理由だけで嫌いとかにはならない。


恋「んー…そう…じゃなくてね、
恋愛感情ではどう?って聞いてんの。」


『恋愛…?え!?まさか…。
恋花って翔太のこと好きだったの!?

驚いて少し声を張り上げてしまった。


恋「大声で言うな!!
というか何でそうなるの!?…
確かに翔太はカッコいいけど、私には決めた人が…」


すると後ろから張本人、翔太が現れた。


翔「よ、東堂。あ、あと夏目さんもこんにちは。今、何話してたんだ?」


私にだけ敬語!?
な…何か今この空間から突き放された感じがする…。

はっ!!そういえば、恋花は翔太のこと好きだったんだっけ?(←大きな勘違い)
私、完全邪魔者じゃん!!


恋「え?あぁ!!実はね、シュリに翔太のことどう思うって思い切って聞いて…」

『恋花!ゴメン。私、急がないといけないから!!
先に帰るね!!じゃあね!!頑張って!!
幸運を祈る!!』


恋「は?ちょ、ちょっと!!シュリーー!!」

私はそのまま全速力で家へと走って帰った。
恋花、上手くいくといいなー。←


翔「…相変わらず走るの速いよな。
夏目さんって…。美人だし。」


恋「うん。そーだね…。
相変わらず誤解するのも早いよね…。
人の話を最後まで聞かずに…。」

残された2人はただただ、シュリが走り去った方向を眺めていた。


それから数分後、
誤解するのが早いシュリは…

『到着ー。』

学校からまぁまぁ距離がある自分の家へ既に到着していた。
息一つせずに。

私は現在、都会の中心の方の高校に通っているので一人暮らしをしている。
親の家は都会の端の方なのでそこから今の高校に通うとなると、2時間前には自宅を出ないといけいない。

だから高校生で一人暮らし。
もちろん彼氏はいません(泣)


鍵を開けていつものように家に入る。
…が、その必要はなかった。

鍵が壊されていたのだ。
私は急いで家の中へ入り、部屋という部屋をくまなく見渡した。

泥棒ではないな…。


財布やカード類は盗られてはいなかった。
そして部屋を荒らした形跡も一切なかった。

『…あ!!シャルは!?』

シャルとは私の飼い猫であって、1年前から一緒に住んでいる。
私は動物の言葉が少し理解できるので、
家にいるときはいつもシャルと会話している。

シャルの名前を呼びながら部屋中を探していると、
朝から敷きっぱなしの布団からシャルが出てきた。

シャル「ニャー。」

『あぁ…、良かった。無事で。』

っというか…
警察に電話すべき?

いや…でも鍵を壊されただけだし…
あっ、でもこれって不法侵入&器物破損だよね。
私は一応、警察に連絡した。

警察が到着するまでシャルに何があったのか聞いたが、
ただ黒い服を着た男数人が少し入って来ただけだったらしい。


…いや、十分怖いですけど。
せめて金目の物目当てとかなら良かったけど(結果的にはよくないけど。←)…
何が目的だったんだろう?


そして数十分後に警察が到着したが、
ただ話しをするだけで終わってしまった。

呼んだ意味なー…。


その夜(外は朝だけど)怖くて中々寝付けなかったけど、
夜中(外は朝だけど)の2時を回った頃には部活の疲れもあり、私はすっかり熟睡していた。













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