ただ君だけを守りたい
□新学期
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春がやってきた――――…
高校生になってからの2度目の春
春と言えば出会いとか別れとか言うけど
私の今年の春はどっちなんだろう――――…
――――――――――……
今日はクラス発表の日。
私の高校では学年が上がるごとにクラス替えがある。
高1の時に仲良くしてた友達と再び一緒のクラスになれるかな、という不安と
今度こそいい出会いがないかな、という僅かな期待を持ちながらいつもより早い時間に家を出た。
私はマンションに住んでいるのでいつもエレベーターを使って下の階に下りる。
エレベーターに乗っている最中、携帯を見ると親友の美紅がもう学校に到着したというメールが届いていた。
ついでに時間を確認すると7:50
私の家から学校まで10分ちょい。
美紅とは8:00に学校で会って一緒にクラス発表を見よう、という約束をしていたのでエレベーターを降りたら早歩きで学校に行かないと。
チン。という音がしてエレベーターが一階へと到着する。
私は早歩きでマンションを出た。
学校までの道沿いには桜の木がずらりと隙間なく植えられている。
だから道は落ちた花びらでピンク色に染まっていて何か踏むのがもったいないなぁとか思いながら申し訳なく踏んでいく。
ちらほら同じ高校の生徒達の姿が現れてきた。
?「あの、すみません。」
早足で歩いている私を後ろから誰かが呼び止める。
時間がないから出来ればスルーしたかったが、生憎私の性格ではそれは出来ない。
『何か用ですか?』
急いでいますアピールをしながら振り返る。
そこには私と同じ高校の制服を着たすごく顔の整った好青年がいた。
新品の制服からして新1年生だろうか?
身長は余裕で抜かされてますが。←
?「………あ、…。もしかして、君って津野愛結?違ってたらごめんなさい。」
え…!!
初対面の人にまさかのフルネーム(しかも呼び捨て)で当てられた。
アレ?私ってそんなに有名人だったっけ?
まさかの新入生に名前と顔を覚えられてるなんて…
『そ、そうだけど…何で私のなまe』
?「やっぱり!!スゲー会いたかった!!久しぶり!!愛結!!」
言葉を遮られた上に突然抱きつかれた。
しかも結構がっちりと。
って冷静に状況を説明してる場合じゃない!!
何!?この新入生!?アメリカ人!??(ホラ、向こうの人ってスキンシップ激しいから!!)
『ちょっと!!やめてよ!!人前で!!いきなり何なの!?警察呼ぶよ!!?』
必死に抵抗する。
すると新入生はあっさりと離してくれた。
?「ごめんごめん。懐かしすぎてつい、昔のクセが…ほら、オレ達って小さい頃よく抱き合ったりしてただろ?」
嬉しそうに話す新入生の反面、私は何のこと?という顔をしていた。
?「………もしかして…オレのこと覚えてない?…ホラ、オレだよ、オレ。」
『や、ごめん。目の前で姿を見せたままオレオレ詐欺なんてやっても無意味だよ。』
じゃ、私は急いでるんで、と言い全力ダッシュで学校へと逃げた。
あの新入生、何なんだろう?
いきなり見ず知らずの人に抱きつくとかどんな神経してんだろ?
ま、他学年だしもう会うことはないと思うからいっか。←
学校に到着すると、既に結構人が集まっていた。
その人ごみの中、美紅を探す。
美「愛結ーーー!!こっちこっちーー!!」
昇降口前に手を振っている美紅を見つけ、合流する。
美「ジャスト8時!!すごいねー。」
携帯で確認すると確かにちょうど8時を指していた。
『あぁよかったー間に合って。』
美「別にちょっとの遅刻くらいいいのにー。
私なんかいつも愛結との約束で遅刻してんじゃん。」
『そうだね。』
そう笑いながら私達はクラス発表までここで待つことになった。
どうやら8時30分から発表のようだ。
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