小説

□最後のリボルバー
1ページ/5ページ

少女は“悪”の人間だった。
人を殺して生きてきた彼女にある日“大切”が出来た。
少女は幸せだった。
自らの使命も忘れてしまうほどに。

それは唐突だった。
少女の“大切”を殺せと命令がきたのは、奇しくもクリスマスの日だった。
少女はサンタからのプレゼントにしては、歪で重たいリボルバーをその手に握った。




どうして?
どうして、殺さなきゃいけないんだろう?
どうして、私は今貴方に銃を向けているの?

「――もし……」

――もし、やり直せるなら、また二人で夏祭りの花火でも見に行きたいね。

「――うぅん、ごめん……」

そんなの無理だね。分かってるよ。
だって、私達は最初から全て違いすぎたから。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ