聖凛学園〜片思い物語〜

□7 身代わり
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「ねぇゆう・・・―――」

「佐河先生っ。あの、この資料のことなんですけど...」



俺の声が、大好きな人によってかき消された・・・。




【身代わり】




「雨月会長ー。俺、先に帰りますね。教室に忘れ物したんで...」


「あ...?あぁ、わかった。ご苦労様」


生徒会室のドアを出て行こうとすると、さっきまで佐河と話をしていた榛稀がこっちを振り返る。


「えっ、侑樹もう行くの!?ちょっ・・!」


「佐河と話があるんだろ?行って来いって...。」


無愛想に微笑んで見せると、少し困ったようにしてまた佐河のところへ戻っていく。


生徒会室をでて、俺は自分の教室の方へと向かった。


こういうとこは、妙にきっちりしてる自分にちょっと複雑な気持ちになる。


なんとなく。


教室に行ったほうが良いような気がした。


3年と2年をつなぐ渡り廊下を歩いていると、空が一面赤くなっているのに気がついた。
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