本棚2-創作

□12か月物語-12月
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「たかい、キラキラしてる!」
トナカイの引くソリに乗って、サンタ服を着たゆうと君は町の上を飛んでいました。
届け先はトナカイが知っています。
ソリに積まれたプレゼントを枕元に届けるのがゆうと君のお仕事です。
魔法のサンタ服で窓ガラスをすり抜けて、起こさないように抜き足差し足忍び足。
気づかれそうになったら走って逃げました。
「サンタさんってたいへんだな」
ゆうと君とトナカイは次々とプレゼントを配っていきました。


夜明け前、プレゼントを配り終えたゆうと君は部屋に帰ると、眠っているサンタの隣に潜り込みそのまま眠ってしまいました。


朝、目が覚めるとサンタの姿がありません。
トナカイもいません。
夢だったのかなと首を傾げながら起きたゆうと君、魔法のサンタ服を着たままでした。
窓に駆け寄ってガラスに触ってみましたが、もうすり抜けられませんでした。
ベッドに戻ると枕元に手紙がありました。
『ゆうと君へ
昨夜は助かったよ、ありがとう。
サンタより』
「らいねんは、かぜひかないでよね」
ゆうと君が呟くと、何処かから咳が聞こえたようでした。
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