STORY 1
□文化祭会議
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「…ということで、この議題は却下でよろしいですね」
学園長の轟先生(体育科)が、議長を努める学園会議。
出席者は各高の生徒会長5人と、文化祭委員長5人。
ちなみに私は文化祭委員長。
「さて、次は文化祭議論ですね」
文化祭委員長さんたち、頑張ってください。
この議論を待っていた私たち文化祭委員長は、轟先生の声に明るく返事を返す。
「さて、それでは出し物からですね。何か意見がある人」
私は慌てて手をあげる。
早めに意見を伸べた方が、圧倒的に意見が通りやすいから。
「じゃあ…雪高の愛加さん」
当たった!
「頑張って」
委員長のケイ先輩に背中を押されて、私は事前に生徒のみんなから貰ったアンケートの集計を読む。
「えっと、雪高の愛加です。雪高の生徒全員のアンケート結果を発表します。
まず一番獲得票が多かったのが“食べ物系の出し物”。次に舞台パフォーマンスで、最下位が教室展示です」
たったこれだけなのに、スッゴい緊張をして、手が震えてくる。
「なので、雪高の出し物は、食べ物系の出し物が良いです」
言葉が繋がらなかったから、取り敢えず無理矢理発言を終わらせる。
席に座った私の頭を、ケイ先輩
が優しく撫でてくれる。
頭のツボを的確に押さえた柔らかな撫で方。