STORY 3
□とある王国の物語5
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「んじゃまあ、気を取り直して」
「木だけにですか?」
「ちゃう!」
衝突を免れた後も何回も木とぶつかりかけ、やっと平地にでたところで俺は口を開いた
「自己紹介や、自己紹介!」
忘れたんか?って聞くと、ああ〜…って微妙な反応を返された
コイツは……
「レオンさんからお願いします。私馬車の運転に必死で考えてなかったんで」
やっぱり。 何も考えてへんかったらしい
「しゃーないな……」
俺は自己紹介をする事にした
ま、言い出しっぺは俺やからしゃーないけど
「俺はレオン。リストロッテから選ばれた王子なんやって」
「何ですか、その他人事みたいな言い方は」
「やって、当時の事あんま覚えてへんねんから、しゃーないやん」
「…わかりました。続きをどうぞ」
「はぁ……。 年齢は約19歳、趣味はダンス。母さんはリストロッテの街で食べ物屋をやってる。多分」
「知らないんですか?」
「まあ、ええやん。細かいことは」
母さんの面影はうっすら脳裏に残っている。霧みたいに消えそうやけど
「…こんなもんで良いか?」
「はい。ありがとうございました」
俺の態度から何か読み取ったのか、ルリカは言及してこなかった。
それが
嬉しかったり
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