短編

□あの頃に
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朝起きて、依頼を待ちつつぐーたらして。
新八、神楽とハチャメチャながらもご飯を食べて。
戦争中よりもずっと恵まれた生活。
先生に拾われる前から夢見てた暖かい生活。
とても幸せな生活。


なのに、



あの頃に戻りたいなんて。



ヅラがいて、晋助がいて、辰馬がいて、四人で笑い合っていたあの頃。

苦しかったはずなのに。
毎日毎日敵を殺して仲間を殺されて、悲しいことばかりだったのに。
そんな頃に戻りたいなんて。



…ああ、わかった。
俺は「あの頃」が恋しいんじゃない。
「あの頃」の仲間が恋しいんだ。


俺は新八と神楽をあいつらの代わりとして傍に置いていただけなのかもしれない。



気づいてしまった。俺の本当の気持ち。

もう、「万事屋銀ちゃん」ではいられない。



あいつらと一緒にいたい。



でもそんな願いは簡単に叶うはずはなくて。
皆ばらばらの道を歩いている。
俺にはどうすることも出来ないんだ。

ただ成す術もなく、これからも「万事屋銀ちゃん」を続けていくだけ。

真綿で首をじわじわ絞めつけられるような苦しい生活を続けていくだけ。




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