短編

□勢いだけだと身を滅ぼしますよ。
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今日こそあの銀色に想いを告げる…。


土方は意気込んでいた。
早くしないと他のヤローに銀時をとられちまう。
銀時は老若男女問わずモテるのだ。

男は余計じゃないかと思うかもしれない。
しかし銀時は男からも大変に好かれるのである。
勿論『LOVE』の意味で。


ふわふわとした銀髪天然パーマに、それと同じ色をした長い睫毛に縁どられた血を思わせるような真紅の瞳。
普段の気だるげな雰囲気に誤魔化されがちだがすっと通った鼻筋に形のいい薄桃色の唇の整った顔立ち。
雪のような白い肌にがっしりしているようで意外にすらりとした身体つき。
とにかく彼は美しいのである。




「―で?大事な話ってなに?」


土方はどうにかこうにか銀時を呼び寄せることに成功した。
銀髪が日の光に当たり、キラキラと輝いている。
首をこてんと傾けているのがとても可愛らしい。
思わず見とれていると銀時が苛立った声を発した。


「何なんだよ、人の顔をじろじろ見やがって。言いたいことあんならさっさと言ってくんねェ?」


その言葉にハッと我に返る。

―いけねぇ。早いとこ告白しねぇと。
こいつは自分がモテるって気付かねぇほどの鈍感だからストレートに…

頭をフル回転させ、しかしそんなそぶりを見せず、銀時に一歩近づいた。
肩にそっと手を触れる。
銀時は訝しげな表情をしているがその手を振り払おうとはしない。
首筋から鎖骨にかけての美しいラインに口づけたい衝動を必死に抑えて深く深呼吸する。
相手の紅眼を見つめ、低く甘い声で彼に愛の言葉を囁いた。

「万事屋…いや、銀時。お前のことが好きだ。俺と付き合ってくれ。」


―よし!言ってやったぞォォォ!!あとは銀時がOKすれば…!


それを聴いた銀時は驚きに眼を開き、みるみる頬を赤く染めていき、


「…え…?土方が、俺のこと好きって…。
てっきりお前は俺のことなんか嫌いで、好き…なのは俺ばかりなのかと…、」


と、潤んだ瞳をさまよわせながら戸惑った表情で言う
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