novela

□殺し屋
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風が頬を掠める。

__俺は何をやってるんだろう...

__ぜってぇ兄貴に変な風に思われたな...

苦笑しながら走る。
近くの公園を抜け、走る。
地面に広がっている雪を踏みながら走る。
走る度に鳴るシャリシャリという音さえ今の自分にとっては騒音に聞こえた。

__そうだ、あの後...俺らは...





「...やっぱり...おかしい...」
「何が...?」

突然呟きだしたアツヤに士郎は疑問を投げかける。

「ファミレスの窓から入ってきた奴等と父さんのこと...」
「うん」
「父さん...冷静だった。考えたくないけど...父さん、
知り合いだったんじゃんぇのか...?」



また沈黙が訪れる。

「信じ、られないよ...」

考えたらまた涙が溢れてきた。

「ちょっとトイレ行ってくる」

涙を拭い、アツヤに微笑み掛ける。
アツヤの視線が離れない。



―しまった...。
笑顔を上手く作れなかったか。


そう、思いながら足を進める。

そして士郎を呼び止めようとするアツヤの声を振り切りながら。
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