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□青年少女の、とある日常
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07XX 海の日
『見てあすな君、綺麗なオレンジ!』
「ほー、中々にロマンチックだな」
『波の音に夕日に二人の影法師。まさにロマンス小説の一ページですな』
「君と俺が手を繋いでたら完璧だね」
『う……』
「ほれ。手、貸しな」
『……バカ』
「顔が朱いのは、夕日のせいってことにしとこうか」
青年少女の、とある日常
海と私とバカヤロー
(夕日に向かってバカヤローって叫んでやろうと思ってたのに)
(君はロマンス小説を青春スポ根ものにしたいの?)