Ss.
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◆無垢な笑顔と愛の言葉を
『ザンザス様ーっ』
ザンザスは己の名を呼ぶ声に振り向いた
その紅い瞳は、満面の笑みを浮かべ駆けて来る少女を映す
「……何だ」
傍から聞けば、不機嫌ともぶっきらぼうとも呼べる声と表情
しかし、少女だけにはそれが照れ隠しであることを知っている
『大好きですっ!』
「――っ!」
少女が無造作に放ったその声に、ザンザスの動きが一時停止する
そんなザンザスを、少女は愛おしそうに見つめ言う
『えへへ、それだけです』
頬をひと刷毛赤く染めて、少女は照れ臭そうに立ち去った
そんな少女を見送るザンザスがポツリと一言――
「……俺もだ、カス」
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