Ss.
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◆ブラック×ブラック
『アーレーンーッ!』
教団内を猛スピードで走る少女
その視線の先には、白髪の少年
「何ですかもう、そんな大声出して」
『何だじゃないわよ、馬鹿アレン!』
あたしのみたらし団子食べたでしょうが!!
必死になって訴える少女に、少年は素知らぬ顔
ぴくりとも揺らぐことのない少年の笑顔に、少女の怒りはますます募るばかり
「この前僕の食後のケーキを横取りしたのは誰でしたっけねぇ?」
その言葉と同時に、少年の笑顔をとりまく空気が一変した
見える人には見えるであろう、どす黒いオーラ
『じゃぁその前の前、あたしのアップルパイ食べちゃったのは何処のどいつよ?』
少女も負けじと言い返す
愛くるしい笑顔ではあるが、その目は笑っていない
その前の前の前……、そのまた前の前の前の前……
少年と少女の話は、終わる気配をみせない
愛くるしい笑顔とどす黒いオーラが交錯する
その日、教団の空気はどこか冷たかったとかそうではないとか……
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腹黒いキャラは書きやすいですね