Ss.


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◆頬を伝う優しさは


『カルラ少佐ッ』


敬礼をしつつ、声を張り上げる

私の声に振り向いた彼の頬には、一筋の優しさの痕があった

私を視界に捉えると、すぐさまいつものように笑おうと頬を歪めた

そうはさせるまいと、私はもう一度声を張り上げる


『カルラ少佐ッ! 弟がッ、フィンレイがお世話になりましたッ! 最期まであの子の傍に居てくださったことッ、家族を代表してお礼申し上げますッ!』


途中から嗚咽混じりになった私の声を、彼は黙って聞きとげてくれた

涙で霞む視界の端で、彼の頬を伝う温もりが確認できた――


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フィンレイとカークが亡くなった後、きっとカルラ君は泣いてくれたと思うのです。
 

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