Ss.
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◆リズムを教えて
『神尾君……』
「んー? どうしたまたかー?」
『……はい、いつもすみません』
こいつはたまに、こうやってやって来る
泣きそうな顔で、クラリネットと楽譜を携えて
「あー、そこな。タタタンタン、ン、タ、だな」
『え、えぇ!? タタタンタ、ン、タ?』
「違ぇよ、タタタンタン、ン、タ」
楽器初心者、リズム感に難アリ
だけど、意欲とひたむきさ、音楽が好きな気持ちは誰にも負けない
入部して一年経つだろうに、長所も短所もちっとも変わらない
いや、短所は少しずつ克服出来てるか
『タタタンタン、ン、タ!』
「そう、それ!」
『やった、出来た! 出来たよ神尾君!』
ありがとう神尾君!
そう言って笑った顔も変わらない
俺がこの笑顔に惹かれ続けているのも、ちっとも変わらない
あと一歩、あと一歩を踏み出せば――
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甘酸っぱい青春を書きたかったんだけどな……どこで道を誤ったのだろうか←
リズムを教えてるのって、何か可愛いですよね(*´ω`*)
ヒロインの楽器がクラリネットなのは、ただ単に私の趣味です←