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□決戦は、金曜日
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0214.Fri
「―ごちそうさまでした。」
『はい、お粗末様でした』
「じゃあこれ、俺からのヴァレンタインね」
『え、こんなにたくさん!?』
「とりあえず名前ちゃんがレシピ見てたやつね」
『あんな一瞬で把握したの!? てかそれ作るあすな君の女子力ェ……!』
「これが生チョコで、こっちがブラウニー。あとそれはスノーボールね。でも食べる前に…」
『 ? 』
「手袋と上着脱いで、その指と腕、見せな。頑張った証だろうけど、心配だから」
『あすな君ってまさかエスパー?』
青年少女の、とある日常
その後 いちゃつく、金曜日
(切り傷と火傷…なんてベタな…。あー…まぁ痕は残りそうにないね)
(ちょ、何でキスすんの!?)
(頑張ってくれたお礼と、早く治るようにおまじない)
((本当は、指先へのキスは"賞賛"、腕へのキスは"恋慕"を意味するんだけど、ね))