book secret short-T


□真昼の逢ひ引き
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『なぁ、これ真田の旦那にばれたらヤバくね?』


忙しい合間を縫って、久々に愛しい恋人に会いに来たって言うのに、名前が顔を曇らせて言う

その顔は、不安と心配に満ちあふれていて


「だーいじょうぶだって」


安心させるように言うけれど、名前の顔は晴れない


『んー、でもなぁ』


眉をハの字にして、困ったように言う名前

煮え切らない返事しかしない名前に、だんだん腹が立ってきた

俺様といる時に、他の男のことを話題にするなんていい度胸


「ねぇ」


何、と振り返るその唇に、自分のそれを強引に重ねる


『んぅっ……』


薄く開いたその口に舌を滑り込ませ、名前の舌を絡め取る

口づけは、ますます深いものになった


『んー!』


酸素が不足してきたのか、名前は俺の胸元をドンドンと叩く

少々名残惜しい気もしたけれど、俺は仕方なく名前を開放した


『何すんだよ急に!?』

「俺様の前で旦那の話する名前が悪い」


せっかく忙しい俺様が会いに来てやったのにさ

とっておきの声を耳元で聞かせてやれば、途端に顔は熟れた林檎のよう


「かーわいいの」


素直に思ったことを口に出せば、名前はますます赤くなった


昼の逢ひ引き

((忙しい合間を縫って会いに来た甲斐があったよ))
 


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