book short-T


□大切な幼なじみ
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「名前ちゃん、おはよ!」

『ん、おはよう、綱吉』


遅くなってごめんね!

肩で息をしながら、頬を真っ赤に染めて私に謝罪する綱吉

遅くったって、待ち合わせ時間の10時ぴったりだ


『別に、私が早く来すぎただけなんだから気にするな』


我ながら色気の欠片もない

もう少し言い方ってモンがあっただろうに


「今日は何買うの?」

『ん? あぁ、CDを買おうと思ってな』


ほら、お前がこの前貸してくれたやつ

そこまで言えば合点がいったようで、それならこっちだよ! と店までの案内を買って出てくれた

私がそういう店での買い物に慣れていないことを良く理解してくれている

流石、幼なじみといったところか


「でも、名前ちゃんがCDなんて珍しいね」


私の前を歩きながら、綱吉が言う


『お前が貸してくれたのが気に入ったからな』


何ともなしに返した台詞だったが、綱吉は嬉しそうに微笑んだ

突然の事に、思わず面を食らう


『……どうした?』

「いや、名前ちゃんが俺の価値観を肯定してくれたのが何か嬉しくて」


えへへ、と笑いながら頬を掻く綱吉

その顔を見て、私の頬も緩む


切な幼なじみ

((まったく、お前にはいつまで経っても敵わないよ))
 


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