book short-T
□共にゆくお前に告ぐ
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「……おい」
『……何だ』
眉間に皺を寄せながら、ユウが此方に歩み寄る
その瞳が微かに哀しみに揺れているのが解るのは、ユウとの長い付き合いの産物
「……明日、足手まといになるんじゃねぇぞ」
懸命に言葉を探しながら、慎重に言葉を紡ぐユウ
それを微笑ましいと思うのは、男のコイツには失礼だろうか
私なんかよりもずっと整った顔を持つこの男には
『余計なお世話だ、バ神田』
「なっ、テメェ……!」
『私の参加をよくも最後まで反対してくれたな』
簡単な挑発に乗るユウの言葉を遮る
私の言葉を聞いたユウは、私から目をそらす
『自分の身ぐらい、自分で守れる』
お前に守られてるだけは、もうとっくに卒業したんだ
そう伝えれば、ユウの眉間の皺はますます深くなる
ユウの気持ちが嬉しくないと言えば、それは嘘だ
だが、それ以上に私は――
「――っ!?」
自分の唇を、強引にユウのそれに押しつける
背後から、アレンやラビの声が聞こえる
しかし、そんなことに構っていられるか
「名前っ、テメェ……!」
耳まで真っ赤に染め上げたユウに、私は言い放った
共にゆくお前に告ぐ
((いい加減、私をパートナーと認めてはくれないか?))