book short-T
□くたばっちまえ、サディスト
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『痛っ』
急に後頭部に感じた痛み
何ごとかと振り返れば、竹刀を肩に担ぎ、何が面白いのかニヤニヤと笑みを浮かべる沖田が居た
『……沖田ァ』
「すいやせんねィ、名前」
『なーにがすいやせんねィだ、この確信犯』
ていうかそんな風にニヤニヤしてる奴に、謝罪の誠意があるわけねーっつの
畜生、ことある毎にちょっかい出しやがって
「随分言ってくれるじゃねーか、名前?」
『は? 何のこと?』
「さっきから心の声がダダ漏れですぜィ」
『嘘!?』
「ホントでさァ」
うっわ、最悪!
沖田が目茶苦茶黒いオーラ出してら
『ちょ、ちょっと急用思い出したっ!』
じゃぁね、沖田っ!!
こうなったら逃げるが勝ち、と走り去ろうとすれば、笑顔の沖田に腕を捕まれて……
「その急用はキャンセルしてもらいますぜィ?」
ギラリと目を光らせる沖田に、私はただコクコクと頷くしかなかった
沖田に引きずられながら、私は心の中で毒づく
くたばっちまえ、サディスト
((そんなこと、口が裂けても言えないけれど))