安池一家
□三章
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暑さがジワジワとくる7月に入り、葉子と友樹は部活を頑張っていた。
「っつー。」
友樹が、柔道着の中に着ているシャツを替えようと思いその場で脱ごうとした。
バシンッ
「いてっ」
「柔道にも女子が居ることを忘れずに!着替えるのは更衣室で!」
「・・・分かりました。」
一人の女子が、友樹に怒ると直ぐに練習を再開していた。
(伊東先輩、怖いな)
友樹は、そそくさと更衣室に向かった。
「いっちゃん先輩、せっかく安池くんの裸見れそうだったのに・・・酷いです!」
「本当です!」
「柔道に集中出来ないんなら辞めてもいいわよ!」
伊東は、周りに居た女子達に怒った。
「あ、なんだ伊東かよ。」
弓道着を着た天城が、入り口にいた。
「天城・・・また安池か?」
伊東は、呆れながら軽く胴着を直し天城に近付いた。
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