相談師物語
□九章
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1月の寒いなか、いつも通りに学校に向かっている短髪の少年がいた。
「玲さんが退院してから1週間経ってる・・・始業式には来なかった・・・玲さん・・・」
独り言をぶつぶつと言ってると、少年の肩に誰かが手を置いた。
「ひぃぃいっ」
悲鳴をあげながら、後ろを見ると其処には、怠い顔をしている黒髪の少年がいた。
「れ、れ、れれれ玲さぁぁんっ」
『ただいま・・・は、』
黒髪の少年・・・玲は、話そうとしたが短髪の少年の抱き付きによって途切れた。
「お帰りなさい!」
『ただいま・・・晴紀』
「うう゛ぅっ」
二人が笑いながらそう言ってると、誰かの唸り声が聞こえた。
『季佐・・・何唸ってるんだ?』
玲は、晴紀を引き剥がして季佐の方を見た。
「入院してたって何で言わなかった?」
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