安池一家

□一章
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暫くして、仏壇から離れ朝食を取ろうと机に近付いた。

椅子に座ると、ご飯と鰆の西京焼きと味噌汁が並んでいた。

「朝から和食ばっかりぃ」

葉子は、項垂れた。
一方友樹は、嬉しそうにご飯を食べていた。

「こうも二人の好みの食べ物が違うと、玲と露は好みの食べ物が一緒だったわぁ」

撫子は、懐かしむ様に葉子達に言った。
友は勿論二人は、露の事を知らない為実感が無かった。

「・・・あ、貴方達、もう行かないと遅刻になるで」
急に話題を変えてきた撫子に、葉子と友樹は何も言えなかった。

葉子達は、いそいそと玄関に向かった。

「「いってきます!」」
葉子達は、リビングいる二人に言ってから外に出た。

「露子・・・ごめんなぁ。私はあの子達が玲と露子にしか見えないわ・・・」

写真に向かって、話している撫子の目には涙が出ていた。



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