安池一家

□三章
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「ったく、おーい安池っ帰ったから早く練習しろ。」

伊東は、更衣室から覗く友樹に言った。

「すみません。ありがとうございます。」

頭を下げながら更衣室から出てきた友樹に、気にしてないのか肩を回していた。

「練習開始だ!安池、大路と組み手。さっさとする!!」

「「はいっ」」

友樹は、組み手をする大路と端に行った。
友樹は、柔道自体は長くやっているが年長者が真ん中を使うため端の方に行っている。

「大路先輩。お願いします。」

「組み手だから。あんまり本気出して怪我したら、今月の大会に出られなくなるから程々に練習しような。」

大路は、笑いながら頭を下げる友樹に言った。

「お前は、柔道楽しんでるか?」

軽く準備運動をしながら、大路は友樹に聞いた。
「はい!柔道はとても楽しいです!」

大きな声を出した友樹に、大路は笑顔のまま見ていた。

「さっ、始めようか」

「お願いします!」

二人は、練習を始めた。




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