安池一家
□四章
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「お兄ちゃん、友樹と何かしてるのかな?」
葉子は、歩きながら玲の家に向かっていた。
「パパとママも居なかったから、家に入れないし友樹はお兄ちゃんの家だし・・・」
ワンピースを翻しながら、歩いていると近くの公園に人影が見えた。
(・・・もしかしてっゆ、ゆ、幽霊!?)
ゾッとした葉子は、公園から見えた影を恐る恐る見に行った。
「幽霊・・・じゃなくて豊永先輩?」
公園の入口近くで、豊永が突っ立っていた。
「豊永せ・・・」
葉子が近付いて豊永の顔を覗こうとしたが、豊永に抱き締めてられた。
「豊永先輩?」
普段ならば、ちゃんと返事を返してくれるのに何も言わずにただ抱き締めている豊永に、葉子は戸惑った。
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