安池一家

□四章
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(お兄ちゃんに電話しないと・・・)

戸惑いながらも、豊永の異変に気付いた葉子はショルダーバッグの横ポケットに入っている携帯を取り出そうとした。

「玲さんに連絡しないで下さい。」

携帯を取り上げられ、葉子に頼りなく言った。

「・・・じゃあ・・・ずっとこのままでしたら、私達は確実に補導されますよ。」

カタッ

葉子は、豊永に言い切った。
取り上げられた携帯が、驚いて豊永の手から落ちた。

落ちた携帯を拾い上げて、通話記録の中から玲を探し出した。

プルルっ

《もしもし?葉子、兄さんは車を運転してるんだ。》

「友樹・・・っ豊永先輩が・・・お兄ちゃんの家の近くの公園にいたのっ」

《えっ!に、兄さん!!ガタガタッ》

プーップーッ

「切れた・・・」





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