短編小説

□後先の事を良く考えて行動しましょう。
3ページ/4ページ

「神楽、ワリぃ」










そう言って俺は神楽の腕をグッと引に寄せると、自分の腕の中にすっぽり神楽を納めていた。




「ぎ…銀ちゃん?何するアルか?離すアル!」
神楽は俺を押し返そうとした。







そりゃ驚くだろうよ、俺だってビックリだ。
ってか、やっぱスゲー力あるわコイツ、めっちゃ抵抗してくる。


だからといってこちらも弱めるつもりはない。さらにギュッと自分に引き寄せた。





「ちょ!加齢臭がするアル!臭いアル!」









うん、いいよ。
その鼻につく匂い全部消えるなら、俺の加齢臭で消してやるよ。…って、まだ加齢臭はしてないけどな。








「銀ちゃん!」










ああ、何やってんの俺?









「銀ちゃん!」


でもスゲェイラつくんだよ…俺の知らない…コイツじゃない匂い











「銀ちゃん?」


俺が手の力を弱めると、さすがに神楽が不安そうに見上げてきた。





「どうしたアルか?」



ああ…だめだ…
気づいちまった。
嘘だろ?
いや嘘じゃないのは自分が一番分かっている。

ダメじゃん。


…お得意の冗談すら何も出てこねぇ。




ってかこの急展開どうすんの?
やっぱりオレってコイツが好きなの?




もう答えは明らかに出てるんだけど、ずるい俺はまだ認めようとしない。











コレ、本当にどうしよう…



流石の神楽も黙っちゃったよ。





しばらく、その状態から動けないでいた。









ナァ神楽ぁ。

なんだコイツって思うか?
キモッって思うか?
ポリゴンって思うか?


でも本当に急に頭パーンってなったんだ。






何か…
一生懸命抑えてきて、自分でも気づかないようにしていたのに、一瞬でパーンって…



俺はため息をついてから静かに話かけた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ