短編小説

□しりたい
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当たり前のことだけど、銀ちゃんは誰の物でもない…。


そしてこれからもきっと、誰かの物になったりしないし…彼を独占できる人はいないと思う…。






でも、みんな銀ちゃんが大好き…。



だらしなく生きているように見えるけど…
やる気なさそうに見えるけど…

いざとゆう時の銀ちゃんをみんな知ってるから…。




でも、どれだけみんな銀ちゃんが好きでも、銀ちゃんが普段、頭の中で何を考えているのか、読める人はいないと思う。


新八にだってヅラにだって分からないと思う。





もし…

もし万が一…


いま鼻くそをほじってジャンプを読む銀ちゃんが、少しでも私のことを考えてくれるなら、こんなにも幸せなことはないのに…



ねぇ銀ちゃん…

銀ちゃんの中に、私はどれくらいいますか?


私の頭の中は銀ちゃんでいっぱいだよ…



***




神楽は生意気だけど、女らしい部分や優しい部分があるのを俺は知っている。


え?
みんな知ってるって?
うるせーな分かってるよ、んなこたぁ。


何か教えてやると…まじでカ?銀ちゃんカッケーアル!なんて言ってさ…
意地っぱりなくせに変なとこ素直だかららね、アイツは…。

だから歌舞伎町の女どもは神楽を見ると楽しそうに色んな事を教えていくんだ。


この前はお妙にマニキュアの塗り方を教わり、その前は日輪にかんざしを貰っていた。
そういや月夜には香水をつけてもらったって、はしゃいで帰ってきたな…。

まぁすぐにファブリーズしてやったけどね…まだコイツには早ぇんだよ。




ちょっとずつ、本当にちょっとずつではあるが、女になっていく神楽。









なぁ神楽…

そんなに急いでどうすんだよ?


んでそれは誰の為にやってんの?


俺と一緒にいる時は、素昆布かじってテレビ見てるだけなのにな…








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