短編小説

□キスしたい…!?
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《銀時side》


「そういえば、依頼って何アルか?」


「え…」





やっべー…すっかり忘れてたよ。

そうだった…。確かに俺がコイツを呼び出したんだったよ〜。
俺の彼女になって下さい…なんて、今更恥ずかしくて言えねーしヨォ。

どうする…どうするよ俺ェ!


「あ…あぁ…なんでもねぇ…」


うん、とりあえず無かった事にしよう…。もうハッピーエンドだし、良いじゃねぇか。


「銀ちゃん!何アルか!?」


あ…やべ、神楽ちゃんイライラしてるよ…。

でも可愛いな…。

手ぇ繋いじゃってるからね…今。



「銀ちゃん!何か隠してるアルか!?」

あ〜逃げられそうにないな…。

仕方ねぇ…


「分かった神楽!言うよ、ちゃんと言う!」


「本当アルか?」



「うんうん、本当本当、神楽ちゃんにしかできないから…依頼してもいいかな?」


「任せるアル!」


「じゃあこっち向いて…そうそう…。それで背伸びして…。うんうん、そう、つま先立ちでね…。
そしたら目をつむって…」



うわっ、やべぃ!
めっちゃ可愛いいんですけど〜


ではでは…


「ではでは…じゃねェェェェェェ!!」

ドガァァン!


「このエロ天パが!何が依頼アルか!?」


「う…ぅ…。かぐら…ちゃん…。」


「しばらくそこで反省するヨロシ」


壁に叩きつけられた俺はしばらくそこから動くことができなかった。


でも、殴られた痛みと、先ほどまで神楽が握っていた温かい手の感覚が、今日1日の出来事が夢ではないと語っているようだった。

スタスタと遠ざかる少女の後ろ姿を見ながら、俺は呟く。

「これから、よろしくな…神楽」




すると、少女が急に振り返りこちらに駆け寄ってきた。


「やっぱり一緒に帰るネ…」


そう言って少し顔を赤くしながら俺に手を差し出す神楽。


「おう」


俺は再びその手をとって、万事屋までの道のりを歩いた。



2回目に手を繋いだ感覚はあまりにも自然すぎて…俺はもうこの手を離すことはできないと思った。






おわり
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