短編
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幸村たちが、負けた。
関東大会では幸村がいない状況での敗北。
でも、幸村が復活したから全国大会では優勝すると思っていた。
なのに…
「ごめん、零。」
目の前で静かに涙を流す幸村。
「君に、君に優勝するってっ…!優勝するって言ったのにっ…‼」
そう言いはらはらと涙を流す幸村。
他の奴も、全員泣いてる。
幸村、真田、柳、仁王、柳生、丸井、ジャッカル、赤也。
皆、皆泣いている。
私は泣けなかった。
実感が湧かないのだ。
彼らが負けたという現実を受け入れられない。
けれど、彼らは私より何倍も悔しいに決まっている。
私はマネージャーだ。
選手たちを励まさないでどうする。
慰めないでどうする。
「…………お疲れ様。」
何故かそれしか言葉が出なかった。
涙を耐えて何回も「お疲れ様」と言い続ける。
皆が私に抱きついてきた。
皆で一緒に、泣いた。
私たちの夏は、
終わった。