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□97DAY 〜2015〜
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夏の終わりに小さく開かれるお祭りがあった。

火の国にある、とある村で行われるその祭りは誰でも出入りすることができて、その日集まる人たちは皆が笑顔だった。

誰でも行けると聞いて、それなら忍でも大丈夫だと思ったナルトは一度だけその祭りに行ったことがある。

夕暮れ時、誰にも言わずにそっと里を出て。

辿り着いたそこは、夜だというのに屋台の明かりで温かなオレンジ色に包まれていた。


(これが祭り……)


世に言う祭りというものをまだ一度も見たことがなかったナルトには、見るもの全てが新鮮だった。

屋台の匂い、提灯の明かり、浴衣姿。

笑い声に溢れた空間に自然と口の端が上がる。


「コレください!」


まず最初はお面を買った。

それを頭につけて綿菓子とりんご飴を手にナルトは祭りを見て回る。

金色の髪にオレンジの服で、すれ違う人たちはチラチラとナルトを振り返っていたがそんなものは気にならない。


(こんな楽しいならサクラちゃんも誘えばよかったってば)


来年は誘ってみよう。

サスケもついてくるかもしれないけど、それでもいい。

そんな風に思えるぐらいには気持ちが高揚していた。


「……ん?」


そんなナルトの目に、ふと銀色の髪が飛び込んできた。

人ごみの中、ナルトより少し前に揺れる特徴のある髪色と髪型。


「カカシ先生?」


まさに今、誰かと来ればよかったと考えていたナルトは持っていた綿菓子を一口で頬張って駆け出した。


「カカシ先生ーっ!」


大声で叫ぶと、銀色の髪が揺れてピタリと止まる。


(やっぱ先生だ!)


確信したナルトは大急ぎで人の波を掻き分けてカカシの元へと急いだ。
 

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