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□ナル誕(2012)
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ナルト誕生日祝い@
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ナルトは屋根の上を足早に駆けていく。
太陽の位置からして任務の召集時間まであと僅かしかない。
(クッソー……このままじゃ間に合わねぇってばよ)
ナルトは思うように力が入らない体に小さく舌打ちをした。
怪我をしたわけではない。
でも腰の辺りが重くていつものように走れないのだ。
(ったく……手加減しろっての)
ナルトは銀色の恋人を思い出して頬を染める。
しかしすぐに我に返り、スピードを上げた。
今はそんなことを思い出している場合ではない。
「おーいナルト!」
と、そこへナルトを引き止めるように下から声が飛んできた。
視線を下げれば大きく成長した愛犬に跨ったキバが手を振っている。
「キバ! どうしたんだってばよ?」
ナルトはザッと地面に降り立った。
「ほらコレ。 お前にやるよ!」
ポイッと投げられた物を反射的に受け取ると、キバはじゃーな、と行ってしまう。
あまりにあっさりしていて、これが何なのかすら聞く間もない。
ナルトは首を傾げながらも手に掴んだ物を広げてみた。
「え!? こ、コレって……」
途端にカッと頬が熱くなるのを感じてナルトは慌てる。
「おいキバ!!」
遠くなっていく背中に怒鳴るようにして叫べば、キバは片手を上げてニヤリと笑った。
「やるよ! カカシ先生と2人分!」
「は、はぁ!?」
キバの台詞にナルトはますます声を荒げるが、キバは笑いながらさっさと姿を消してしまう。
後に残されたのは呆然と立ち尽くすナルト。
「どうしろって言うんだよこれ……」
カカシと2人分だと言われたが、絶対にこんなものを性欲旺盛な恋人に見せるわけにはいかない。
仕方なくごそごそとポーチの奥底に2つ連なった四角い袋をしまいこんで、ナルトは肩を落とした。
その後、待ち合わせに遅れてサクラに怒られたのは言うまでもない。
***
まずはキバからです^^
中身は後からのお楽しみということでww