長編


□金仙果
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悲しい悲しい

想いに蓋をして



ただあなたの幸せを願う――……






〜〜〜〜〜〜〜〜〜



朝靄に覆われた景色の中に佇むのは、銀の髪を揺らす木の葉の上忍。

手向けた花が金色に咲き乱れて慰霊碑に寄り添っていた。


「・・・・・オビト。もうすぐアイツが帰ってくるよ・・・」


消えそうな小声で親友に語るのは決して誰にも打ち明けることのない想い。


ポツリポツリとまるで懺悔のように。


「お前がいたら・・・俺に何て言ったかな・・・」


眉間に皺を寄せたまま、カカシは空を仰いだ。

白けた空にうっすらと青が映り始める。

カカシの言葉は誰に届くことなく、


消え始めた朝靄と共に空気に溶けていった―――



  
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