長編
□星に願いを
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「カーカーシーせーんーせー!!!」
「うわっ!・・・とと」
思いっきり駆け寄ってカカシの腕に飛び込んでくるのは金色の髪。
その体を全身で受け止めてカカシは金色の髪を撫でる。
「お前もうちょっと勢い加減しなさいよ・・・」
困ったような顔でそう言いながらもカカシの手は優しい。
「先生なら大丈夫だってばよ」
にししっと笑ってナルトはさっさと歩き出す。
「おーいまだ任務の説明してないデショ」
「歩きながらでいいじゃん!ひっさびさの先生との任務だもん!早く行こうってば!」
「ダーメ。行き先だけでも把握しとかないと途中何かあった時対応できなくなるからな」
ナルトは渋々立ち止まるとカカシと向き合う。
「今回は俺とお前のツーマンセル。急ぎだから簡単に説明するぞ。任務内容は火の国の大臣にこれを届けることだ」
カカシは懐からさっと赤色の巻物を取り出した。
極秘任務に加えて大名を狙う輩がいることからAランク付け。
「初めて行く土地だ。何があるかわからないから油断するなよ」
「オッス!」
「まず俺が先に行く。お前は後方確認しながらついて来い」
「わかったってばよ!」
「よし。じゃ出発だ」
「おう!」
張り切って返事をするナルトに自然と笑みがこぼれる。
カカシにとっても久しぶりのナルトとの任務で、少なからず気持ちは浮かれていた。
成長を間近で見れるし、何よりカカシは無条件に自分を慕うナルトが可愛くて仕方ないのだ。
初めて、自分の手で磨いてみたいと思った原石たち。
カカシは自分が上の立場になり次世代を導いていくことに自分でも驚くほど喜びを見出していた。
それは成長を感じるほどに強くなっていく。
だから一緒にいられてこんなにも心が浮かれるのは師弟愛だとカカシは信じて疑わなかった。