小話帳


□8万打御礼
1ページ/1ページ


小話〜8万打御礼〜



ダダダッと勢いよく角を曲がったナルトは、目の前に現れた長身の体に思い切りぶつかった。


「わ、カカシ先生!!」

「ナルト!! おまっ……無事で    !」



「先生こそ……っ」


お互いに顔を見て驚きの声をあげる。

肩で息をしながらも、2人は互いの体をしっかりと掴んだ。


「先生怪我は?痛いとことか……!」

「バカ何言ってんの! お前のがよっぽどボロボロじゃない」

「っ、……」


ナルトは頬についた切り傷を撫でられてピリッとした痛みに目を細めた。



カカシはナルトの頬を包み込むように手を添えると、ぎゅっと眉を寄せる。


「もう……会えないかと………」


カカシらしくない弱々しい声。


その声と頬に触れる温もりに、ナルトの中で張り詰めていたものがふっと緩む。


「オレも……もう会えないかと思ったってば……ッ」


一気に視界が滲む。

泣いている場合ではないのに、カカシを目の前にしたら感情を抑えられなくて。


「ナルト……っ」


カカシは、口布を一瞬で下ろすとそのまま荒々しくナルトに口付けた。


「はっ……ん」


隙間から漏れる息も逃さないように、ぴったりと唇を押し付けると舌を絡め始める。


「ッんぅ……!」


熱くて激しくて苦しい。

だけど、嬉しくて堪らない。


ナルトは自らも舌を差し出してカカシの口内へと滑り込ませた。

たどたどしく、カカシの舌に触れる。


「……!」


ナルトが、必死にキスを返してくる。

そんな反応に、カカシは体の中心がドクッと脈打つのを感じた。


「ッ……!」

「わ……!」


肩を掴まれて思い切り引き離される。


「……ここから先は、帰ってからね」


カカシの言葉にナルトは顔を赤くして口元を腕で覆った。


「ご、ごめ……」

「ここが家なら文句無しなんだけどねぇ……」





やれやれと口布を戻したカカシは、スッと額当てを上げた。



カカシの鋭くなった目つきにナルトも体を強張らせる。





「……残り15人、ってとこか。まだ影分身いけるか?」



「当然!」





ニッと笑ったナルトが印を組むと、辺りに煙が上がり、影分身たちが姿を現した。



それに合わせるようにしてカカシの右手も光を放ち始める。





「よし、さっさと帰るぞ」



「オッス!」





(先生がいてくれるならどれだけだって強くなれる!)



(ナルトを守るためなら、何だってやってみせる……!)







一緒に帰るんだ    !!







背を向け合った2人は、同時に前へと駆け出した。



固い決意を、胸に宿して。





 

***

たくさんのご訪問ありがとうございますm(__)m

これからもよろしくお願いいたします(*´ω`*)
 

2012・11・11

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ