夢物語

□Luck for Chance
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比嘉祭を1週間後に控えている校内は、
「とっ散らかっている」という言葉がぴったりだ。
人も、校内も。
授業中であっても教室の空気は浮き立つ一方だし、
休み時間や放課後は言うに及ばず。
日毎に廊下に増えていく、段ボールや材木や模造紙の山も、
お祭り気分の元になっている。

美化委員長なんてものになってしまったわたしは、放課後の校内を回っていた。
クラスや部活の演し物で工作作業が増えるから、ごみが増える。
加えて、材料の置き方によっては危険があるので、廊下のチェックも、実行委員とともに担当している。
わたしもクラスの作業があるのに、ごみ袋片手に歩き回るのは正直憂鬱だ。
早く仕事を終わらせて戻ろうと思っていた時、前方に人影が見えた。
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