夢物語
□私の香り
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「ね、なんか欲しい物ある？」
「…は？」
「は？じゃないの。もうすぐ誕生日だし、何がいい？」
「…特に何もない」
「えー…」
寛の誕生日が近づいてきた。
一応私達は、その…つきあってるんだし、プレゼントあげたい。
日頃の感謝とか、愛情表現のひとつというか。
本当はこういうの聞かない方がいいのはわかってる。
でも…何がいいのかがわからない。
男の人にプレゼントなんてした事ないから、どんな物が欲しいのかとか、
どんな物が好きなのか。
この間の父の日だって黄色いバラ1本で終わったし。
何も思いつかないからじゃあ本人に聞いてみようと
思いきって聞いてみたら、
「何もない」という答えが返ってきた。
ある意味、予想通りの答えかもしれないけど。