Novel
□始まり
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桜咲き舞うとある道
それは《私立ノアルリア学園》
に繋がる道である
今日は高校の合格発表日
今この道を歩いている彼らは
皆、志望校に入る為
必死に勉強をしたんだろう
おそらく二人揃って歩いている黒髪の少年も茶髪の少女また皆と同じである
「合格してるといいね
綾香」
「なにそれ嫌味?」
綾香と呼ばれた茶髪の女の子は黒髪の男子……祐貴に悪態つく
この二人の姓は稲月
二卵生双生児でちょっと早く産まれたのが祐貴。
一応兄である
「ったく…チェリ井の奴…これで受かってたらマジシメる!」
「桜井先生かわいそ…」
「だってアイツのせいだろ!
私は、隼人や澪と同じ高校が良かったんだ…」
例え兄妹とはいえ進路が同じとは限らない
例え小中が同じとはいえ高校までもが同じとは限らない
だがこの兄妹たちはあろうことか
担任である桜井貴史(彼女いない歴=年齢)により
同じ高校を受験したのだ
高校にしては珍しい
薄い青色の校舎
空気も澄んでいて外とはどこか異質な雰囲気がある
静かそうな校舎も
今は合格発表を見にきた生徒で賑わっていた
「ぁ、ところで綾香
受験番号何番?」
「182番…
つか絶
対オチてるから
探しても無駄だろ」
「まぁた決めつけて
…えっと182番、
182番……」
「ったく
…自分で探すからいい
つかお前はどうした?」
「あぁうん
僕は特待生だから。
推薦で
入学だから(ニコッ)」
「探さなくても合格ですか
…さいですか……」
「拗ねないでよ
大丈夫、綾香も受かってるからさ…ぁ、ほらあったよ182番!」
「はぁ?!どこだよ」
「そこそこ」
┏━━━━━
┃ 170 179
┃ 171 182
┃ 172 186
┃ :
「あった…あっちまった…」
「良かったね!」
「良い訳あるかよ!
またお前と同じか…」
「僕は嬉しいけど…」
「俺は隼人と澪とぉー…」
「ドンマイ」
「テメェ…こンのくそ兄貴ぃ……
ぁ…そういやここ母さん話じゃ
魔法学校なんだろ」
「うん。表向きには普通の公立高校だけどね」
「俺、魔法なんて使えないぜ?」
「あぁー…そういえば
綾香は母さんの才能、
微塵も受け継がなかったもんね」
「無くても困らん!」
稲月兄妹の母、稲月琳
このノアルリア学園を主席で卒業。
性格のホワホワを抜かせばとても優秀な人物だ
「あーぁー…あん時
チェリ井ノして反論しとくんだった…」
「後の祭だね
母さんだって綾香に
この学校入ってほしいって言ってたんだしさ
あと桜井先生ノすのはやめてあげよう(汗)」
「うるせぇー…」
現在のテンションが
真逆な兄妹は
合否を母に教えるべく
薄青色の校舎を後にした