あ、そこの人。短い眠りなんてどうでしょう?
□甘なんてねぇから!!
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「はぁ…寒いなぁ…」
月明かりが照らす、長屋の屋根の上
。
一人座って月を眺めた。あぁ、綺麗だな。
自分の世界だったらこんな綺麗に見えないんだろう。
「せっかく今日休みだったから早く寝ようと思ってたのに目…さえちゃったな。」
今の状況を正確に考えてみたら、ボケなんてやってられん。
なんて自分らしくない考えを持つようになった。 「♪…」
ふと自分の時代の曲を鼻歌交じりに歌う。
あー。なつかしぃ。
美紗希とか、皆、寝てるんだろうか。と、思った時…
「こんなところでなにしてんだ?」
涼やかというか、もぅ寒い風とともに知っている人の声が聞こえた。
「三郎…。」
あぁ、再び思う。本当にこの世界に来てしまったのか。…ということを。
「…別にー。いーでしょ。私の事なんだし私の好きで。
三郎には関係ーありません!」
「まぁ、そうだなぁ…。私には関係ない…ねぇ。」
意味深そうに呟いてこちらに来た。
おいおい。よく寝間着でこんなところに来れるね!
「…関係なく、ないんじゃないか?」
「え…?何言って…。」
「…ほら。この世界の事…とかさ。」
「!…この世界なら三郎は関係無いしない?」
「いやあるね。この世界にいる限り。」
なんなのさ。
三郎はいつも私の心をついてくる。
本当は涙腺弱いんだから。
「ばっ…だかたれぇ〜!!」
「なっ!?なに急にないてんだよ!!」
「お前のせいだかんなぁ!いっぺん死んでみろ!」
「言ってる意味がわかんねぇよ!!私のせい?!
しらねぇよ!自分が言わないのが悪いんだよ!!」
「……。」
昔言われたことがある。
『智香は何でもかんでも一人で抱え込みすぎ。もう少し、
人に甘えてみたらどう?』
「まぁ…そうかな…。自分のせい…だよね。」
「…」
あー自分らしくない。
そもそも自分らしいって なんなんだろうか。