BRAVE10 小説

□rain
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君の一番になれないのが

くやしかった









rain







外はざぁざぁと音をたてながら
激しい雨が降っている




「鎌之介、」




佐助は鎌之介の部屋の前で彼の名をよんだ




「んぁ?緑?入れよ」



「失礼、する」




部屋の中では
鎌之介が鎖鎌の手入れをしている最中だった




「どした?なんか用?」


「別に」


「?変な緑…」




そんなことはあまり気にしないように
鎌之介は鎖鎌の手入れを続けた


佐助は
鎌之介に想いを寄せていた

しかし
鎌之介は才蔵と恋仲なのだ

むやみに手を出しても
鎌之介に嫌われるだけだから

佐助はいつも遠くから鎌之介を見ていた


けれど
こうして才蔵と鎌之介が一緒にいないときは
少し会いに行ったりもした







「あ、今日雨だから森いけないのか、緑」



「否、雨でも、見張り、する」



「じゃーどうしたの?」



「我、今休憩、アナ、森見張ってる」



「爆乳女が?アイツ、ホントにちゃんと見張りやんのかよ」



  


すっ



うっすらと襖が開く





「っ誰」





佐助は襖を向いて構えたが

その正体は





「お、にょろじゃん!!!」


「、雨春」






佐助が慈愛している雨春だった

何故か鎌之介も気に入っているらしく
雨春という名があるのに
にょろという名前をつけて可愛がっていた





「お、待てよ!!」




鎌之介は逃げる雨春をなんとか捕まえると

わしゃわしゃとなで始めた





「にょろぉ!!ふぉぁ〜気持ちいっ!!」








襖からにょこにょこやってきた雨春は
佐助の身体にまとわりついた






「っあー!!ずりーよ緑、俺も!!!」




鎌之介がにょろに手を伸ばした


次の瞬間






「あ、ぶね、っ!」






鎌之介はバランスを崩し、
佐助の身体へとダイブしてしまった






「うを、!?わ、悪ぃ、緑!!」




さすがの鎌之介も動揺したのか
すぐ退こうと身体を動かした


けれど



佐助は、鎌之介の身体を離さなかった





「っ!!?みみみみみ、緑!?」

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