BRAVE10 小説

□綺麗だよ、
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からかいがいがあって

可愛くて









綺麗だよ、








「鎌之介の髪って、綺麗だよな」



「なっ、なに言いだすんだよ!変態!!」





ある日

俺は暇で暇でしょうがなく
城内を歩いていたとき

たまたま鎌之介の部屋の前にいたので、気まぐれに入ってみた

鎌之介は自身の髪を結っている最中だった

長い髪を乱雑に結った鎌之介

何か勿体無いような気がする
あんなに綺麗な髪なのに





「変態ってなんだよ、俺は誉めてんだろ?」


「うっ…な、なんか才蔵が言うと嫌だ!!変態っぽく聞こえるしっ」





なんでだよ!?俺が言うと変態なのか!?

どう考えてもオッサンが言った方が変態に聞こえんだろ!?


そんな言葉を飲み込みつつ
俺は鎌之介に言う




「なんだよ、照れてんのか?」


「っ!違う!!!ぶっ殺すぞ!?」



そう言いながら睨んでくる鎌之介の頬は
自身の髪に負けないくらい赤く染まっていた



(照れてんのか?…可愛いな)



にや、と俺は口を三日月にまげて笑った
おもちゃで遊ぼう、と言わんばかりに




「っあ!!」



俺は鎌之介の緩く結ってあった髪をほどいた



「てめっ、何す…」




そして
長く綺麗な髪を口元にはこび
かるくそれに口をつけた



「っっっ!!!?」





鎌之介は言葉を失い
口をパクパクさせながらこっちを見てくる




「髪、結わない方が綺麗だぜ、鎌之介」




俺がそう言うと鎌之介の頬はさらに紅くなり
焦ったり睨んだりと、いそがしく表情を変えていた

そして挙げ句の果て






「あぁぁああぁっ!!殺す!今殺す!絶対殺すっっ!!」




と叫び
武器ももたず殴りかかってきた





「うをっ!?」








うがぁぁぁあぁああっっ!!!!
と騒ぐ鎌之介

こんなに照れるってことは
少し脈ありか?

なんつて。











綺麗だよ、








うるさいぞ!!!!

と、筧さんにこてんぱんに怒られたのは
また別の話



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